しおかぜレモンのまちブログ

  • 「自分には何もない」と、誰かの眩しさに自分の輪郭が消えそうな日に

    スマートフォンの画面を指でなぞるたび、自分以外の誰かの人生が、まぶしい光を放って飛び込んできます。あの子はあんなに軽やかに進んでいるのに、私は。あの人はあんなに選ばれているのに、私は。比べているとき、私たちの心は自分の人生のハンドルを離し、誰かの後部座席に座り込んでしまっているようなものです。...
  • 「怒ってはいけない」と自分を律し、心がパンパンになっているあなたへ

    誰にも気づかれないように、心の奥で静かに火を消そうとすることがあります。言葉を飲み込み、表情を整え、何事もなかったかのように振る舞う。けれど、消したはずの火は行き場を失って、体の中に熱を持ったまま居座り続けてはいませんか。 無理に笑って、我慢すること。それが大人だと思っていました。でも、心にフ...
  • 次の予定に追いかけられて、今のご飯の味がしないあなたへ

    夜、布団に入って目を閉じると、まだ来てもいない明日のスケジュールが頭の中に広がってしまう。あれをしなければ、これを忘れないようにしなければ。心はすでに明日へと飛び出してしまい、今ここで横たわっている自分の体だけが、置いてけぼりになっているような感覚。 かつての私は、まさにそうやって生きていまし...
  • 「ちゃんとしなきゃ」に縛られて、心がカチコチになった夜のほどき方

    ふとした静寂のなかで、ずいぶん前に誰かに投げかけられた言葉が、不意に蘇ってくることがあります。「もっとしっかりしなさい」「あなたらしくない」——。送り主すら忘れてしまったような言葉の断片が、今の自分をじわじわと侵食し、呼吸を浅くさせてはいませんか。 かつての私も、「すごい人」になろうと必死に走...
  • 人生最後の3秒で、何をする?

    「もし、あなたが消えてしまう前の最後の3秒があったら、何をしますか?」 あるとき受けたこの問いに、私は考える間もなく答えました。「砂浜に、ハートを描く」と。砂があれば砂に、紙があれば紙に、何もなければ自分の手のひらに。一つの小さな形を、時間が切れる前に残したい。 その問いには、続きがありました...
  • 山の中に海がある、不思議

    「なぜ山の中で海の話を?」と、八ヶ岳の店を訪れる人によく聞かれます。私は今、森に囲まれたこの場所に「海のオアシス」を作っています。 学生の頃、私は海から遠い場所に住んでいました。一人ではなかなか行けず、部屋に海のポスターを貼り、波音のCDを聴いて、自分の部屋を「海」にしようとしていました。 大...
  • 「良いもの」に囲まれているのに、なぜか心が乾いているあなたへ

    お店にあるカップを手に取ったとき、なぜか心がふっと穏やかになることがあります。形も色も普通なのに、手の中に収まった瞬間に伝わってくる「何か」。私はそれを、スペックには書けない「やわらかい部分」と呼んでいます。 デザイナーとして20年働いてきた私は、かつて「正解」を求めて効率を追求していました。...
  • 大切なものは、鳥を持つようにやさしく

    失いたくないものほど、私たちは強く握りしめてしまいます。人間関係、仕事の成果、過ぎ去った日々の記憶。けれど、強く握れば握るほど、手の中にあるものは形を歪め、苦しくなって逃げ出したくなってしまう。守ろうとする力が、皮肉にも、一番大切にしたいものを傷つけていることがあります。 メモリー・レーンに住...
  • 十分に静かにしていれば、植物が話しかけてくる

    情報が溢れる現代、私たちの耳は常に「誰かの声」で埋め尽くされています。SNSの通知、テレビのニュース、誰かの期待。その騒がしさの中で、自分自身の心の声さえも、かき消されてはいませんか。 緑の区画の奥深く、葉っぱに埋もれたキンカの家は、簡単には見つけることができません。キンカはただ、静かに座って...
  • 捕まえられない静けさを、扉に変える(Sudatchiの家)

    「意味のあることをしなさい」「役に立つ人間になりなさい」。私たちは幼い頃から、そんな物差しで測られてきました。何を作っても「それでいくら稼げるの?」と聞かれるような世界。でも、本当に私たちの魂を潤すのは、そんな効率の向こう側にある「無意味なほど純粋な情動」ではないでしょうか。 ワークショップ横...
  • 完璧な形に、欠けを含める理由

    自分の欠点を見つけると、すぐに「直さなければ」と焦ってしまうことはありませんか。世の中が求める「正しく、美しい形」に自分を合わせようとして、削り、磨き、いつの間にかクタクタになってしまう。そんな完璧主義という重い鎧を脱げずにいるあなたへ、ある隣人の家のお話をさせてください。 八ヶ岳の森で作って...
  • 感じすぎて、疲れているとき

    人混みから帰ってきたとき、あるいは誰かとの何気ない会話のあとで、どっと重い疲れが押し寄せてくることがあります。他の人が気にも留めないような小さな変化に動かされ、引きずってしまう自分。「もっと図太くなれたら」と、何度思ったかわかりません。 子供のころの私は、人が集まる場所がどこか苦しくて、誕生日...