ガラスを伝う、小さな宇宙

しとしと、ぽつ、ぽとん。窓の外では、静かな雨が降り続いています。すっきりしない天気が続くと、なんとなく気持ちまで沈みがちになるものですが、そんな日こそ、わたしは窓ガラスに寄り添う小さなデザインに目を向けます。

ガラスを伝って、さらさらと流れていく一滴の雨粒。「あの雨粒は、どこへ行くんだろう。なかに、空が入っているんだろうか」(『Ordinary Wonder』より)。プロのデザイナーとして複雑なものを整理してきた視点でじっと見つめると、雨粒のひとつひとつが、光を閉じ込めた美しいアートピースに見えてくるのです。

五感でたのしむ、天気のグラデーション

感じすぎることに疲れ、もっと鈍感になれたらと思った日々もありました。けれど、小さな変化に心が動かされるということは、世界の微細な美しさに気づけるということでもあります。雨の音、湿った土の匂い、ひんやりとしたガラスの手触り。五感をひらくことで、憂鬱だった雨の日が「自分を整える習慣」へと変わっていきます。

  • 雨粒のなかに映り込む、歪んだ緑の景色を探す。
  • お気に入りの音楽をいつもより小さな音で流す。
  • 雨が連れ去っていく、心のノイズに耳を澄ます。

物事をネガティブに捉えるのではなく、ただその大気感をそのまま受け入れること。それが、心に豊かなゆとりを生み出すBetter Lifeの着眼点です。

貝殻の屋根に弾ける音

レモンブリーズの国では、妖精のCottie(コッティー)が宿る貝殻の建物たちに雨粒が当たって、まるで小さな楽器のように心地よいリズムを奏でています。雨が世界を洗い流し、また地続きの新しい物語がはじまる予感を与えてくれるのです。

窓を開けると、雨上がりの冷涼な空気とともに、静かなしおかぜが通り抜けていきました。完結することのない空の下で、また次のページが開かれるのを待つように。

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