虫の声に、耳を澄ませる〜季節が重なり合う時期に
立秋を過ぎる頃から、夜の虫の声が少しずつ変わり始めると聞きました。
調べてみると、ひぐらしの澄んだ声に混じって、コオロギやスズムシの音が聞こえ始めるのが、ちょうどこの時期なのだそうです。夏の生き物と秋の生き物の声が重なり合う、その短い期間だけの音色があるということになります。
アトリエで作業をしていると、窓の外からいろいろな音が聞こえてきます。どれがどの声なのか、正直なところ、すべてを聞き分けられているわけではありません。それでも、確かに音の種類が増えてきたことだけは、なんとなく感じています。
季節は、ある日を境にきっぱりと入れ替わるものではなく、しばらくの間、前の季節と次の季節が重なり合いながら進んでいくものなのだと、こうした虫の声から教えられます。
繊細な方は、こうした重なり合う時期に、氣持ちが定まらない感覚を抱きやすいのではないかと思います。夏の名残と秋の氣配、その両方を同時に感じているのだとしたら、それは自然なことなのだと思います。
アトリエの猫も、この頃から少しずつ、日向にいる時間が長くなってきたように見えます。
今夜も窓を開けて、重なり合う季節の音に、少しだけ耳を澄ませてみようと思います。