暦の上の秋と、まだ続く夏
もうすぐ、暦の上では秋の入り口にあたる時季を迎える頃合いです。
調べてみますと、この日を境に、手紙などの挨拶も「暑中見舞い」から「残暑見舞い」に切り替わるのだそうです。言葉の上では秋が始まっていても、実際の氣温はほとんど変わらず、むしろこれからが暑さの本番だという年も多いようです。
このずれを、わたしはあまり不思議に思わなくなりました。氣持ちと現実がぴったり一致しないことは、日々の暮らしの中でもよくあることだからです。頭では秋だとわかっていても、体はまだ夏の中にいる。それでいいのだと思います。
七十二候という、さらに細かい季節の区分によると、この頃から少しずつ涼しい風が感じられ始め、次第にひぐらしの声が響くようになり、やがて深い霧が立ちこめる時期へと移っていくのだそうです。五日ごとに少しずつ表情を変えていく、その細やかさに氣づかされます。(ひぐらしは、八ヶ岳では梅雨が明けてからずっと早朝と夕方に鳴いているのですが。)
繊細な方は、こうした暦と体感のずれにも、氣づきやすいのではないかと思います。ずれを無理に埋めようとせず、両方の感覚をそのまま抱えていていただければと思います。
アトリエの窓の外は、今日もまだ、八ヶ岳の真夏の景色が広がっています。
秋という言葉を胸のどこかに置きながら、もうしばらく、この夏を過ごそうと思っています。