蝉の声が教えてくれること
八ヶ岳の朝は、蝉の声で始まります。
種類によって鳴き方が違うと知ったのは、実はここに暮らし始めてからでした。低く響く声、細く長く伸びる声。それぞれの声を聞き分けられるようになるまで、少し時間がかかりました。
蝉の命は短いと言われています。短いからこそ、あれほど大きな声で鳴くのかもしれません。そう考えると、朝のうるささも、少し違って聞こえてくるように思います。
わたしたちの一日一日も、実はそれほど長くはないのかもしれません。今日という日は、今日しかありません。蝉の声を聞きながら、そんなことを考える朝がありました。
貝殻の家々の庭にも、小さな蝉の抜け殻を見つけることがあります。空になった殻にも、その子がそこで過ごした時間の証が残っているように感じています。