明日のことで頭がいっぱいなとき

夜、布団に入って目を閉じると、まだ来てもいない明日のスケジュールが頭の中に広がってしまう。あれをしなければ、これを忘れないようにしなければ。心はすでに明日へと飛び出してしまい、今ここで横たわっている自分の体だけが、置いてけぼりになっているような感覚。私たちは、まだ存在しない未来を管理しようとして、今日という日を使い果たしてしまっているのかもしれません。

かつての私は、まさにそうやって生きていました。デザイナーとして次から次へと締め切りを追いかけ、常に「次は何をするか」ばかりを考えていたのです。けれど、大切な人を亡くしたあと、愕然としました。「いつかゆっくり話そう」と思っていたことが、山ほどあったのに、その「いつか」は二度と来なかったのです。

わたしはずっと、今日より明日のことを考えて生きていました。でも、本当に大切だったのは、今日という日のなかにあったはずの、取るに足らない数秒間でした。

今日を完璧に覚えていなければならない、ということではありません。ただ、今日したことの中で、たったひとつでも思い出せたなら、あなたはちゃんと今日という時間に存在していたことになります。お茶の温かさ、窓から見えた雲の形。思い出せなくてもかまいません。今日を「探した」その数秒間こそが、あなたの今日そのものなのですから。

今日したことの中で、ひとつでも覚えていることはありますか?

明日に向かっている足を一度止めて、そのわずかな記憶をそっと眺めてみる。それだけで、夜の静寂が少しだけ優しく変わるかもしれません。

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