貝殻は、半分が葉山、半分が旅をしてやってきます

店頭のオブジェを見て、「この貝殻はどこで拾われたものですか」と聞かれることがよくあります。今日はその質問に、少し詳しくお答えしてみようと思います。

使っている貝殻は、およそ半分がわたし自身が神奈川県の葉山で拾い集めたものです。残りの半分は、沖縄や九州、四国など、海の異なる場所から取り寄せています。

同じ貝殻でも、拾われた海によって、色味や質感、削れ方の表情がまったく違います。葉山の貝殻は、波の穏やかさを映したような柔らかい丸みを帯びていることが多く、南の海から届いたものは、色が濃く、質感もしっかりとしている印象です。

ひとつの作品の中に、異なる場所からやってきた貝殻を組み合わせることもあります。それぞれの貝殻が歩んできた時間の違いが、ひとつの家の中で静かに重なり合っていく。そんな感覚が、この仕事の面白さのひとつです。

選ぶときに大切にしているのは、産地よりも、その貝殻が持っている表情です。欠けていたり、削れていたりする部分も、無理に隠さず、そのまま活かすようにしています。

店頭でオブジェをご覧になるときは、屋根になっている貝殻がどんな旅をしてきたのか、少し想像してみていただけたら嬉しいです。

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