音に氣づきやすい人ほど、持っておくといい静けさの話
八ヶ岳の店舗の入り口に、貝殻のかけらをいくつかつなげただけの風鈴のようなものを吊るしています。
風が吹くたびに、かすかな音がします。大きな音ではありません。氣をつけていないと、聞き逃してしまうくらいの音です。
音に氣づきやすいたちなので、雑音や、人の話し声が重なる場所にいると、氣づけば疲れきっていることが多いです。全部を聞いているつもりはないのに、勝手に耳が拾ってしまいます。
だからこそ、静けさを、意図的に持っておく必要があると思っています。何もない時間ではなく、選んで作る時間として。
ここのアトリエは、聞こえる音がもともと少ないです。風の音、葉が擦れる音、鳥の声。それぞれの輪郭がはっきりしていて、重なりすぎることがありません。
音に敏感なことは、悪いことではないと、最近はよく思います。かすかな風鈴の音に氣づけるのも、同じ感覚があるからこそです。
ただ、その感覚を守るための場所を、暮らしのなかにひとつは用意しておいたほうがいいと思います。音の少ない部屋でも、決まった時間でもいいのです。
風鈴が、また小さく鳴りました。今日はこれくらいの音で、ちょうどいいのです。