土に触れてわかったこと、頭のなかがすこし静かになる話
お店の庭に、しゃがみこんで土をいじる時間があります。
特別なことをしているわけではありません。雑草を抜いたり、土を軽く掘り返したりするだけです。
それでも、しばらく手を土につけていると、頭のなかで鳴っていた考えごとの音量が、すこしずつ下がっていくのがわかります。
縄文の暮らしについて調べていたときに知ったのですが、土や自然と直接触れ合う時間は、道具や技術がどれだけ進んでも、人にとって変わらず必要なものだったようです。何千年前の人たちも、土に触れながら、氣持ちを整えていたのかもしれません。
今のわたしたちの暮らしは、画面や情報に触れている時間のほうが、圧倒的に長くなっています。頭は忙しく動き続けているのに、手は何もしていないという状態が、ずっと続きます。
そのアンバランスさが、氣配に敏感な人には、余計にこたえるのだと思います。
だから、一日のうちほんの数分でいいので、土でも、木でも、何か自然のものに直接手で触れる時間を持つといいと思います。頭のなかの音量を、物理的に下げる方法として。
猫は少し離れた日陰から、その様子をじっと見ています。手伝う氣はまったくなさそうですが、それでいいのです。
土を払って立ち上がる頃には、さっきまで考えていたことが、少しどうでもよくなっています。それくらいでちょうどいいのだと思います。